「い」いにくい話

1.『めでたいもの』は、どうして本数限定なの?

原料の多古米は、「食味日本一」に輝く超人気商品。
そのため加工米として流通する物はごくわずかで、入手も非常に困難。
そのため、数1,000本単位の生産となるわけです。
皆さんにご好評いただき、供給が間に合わない状況ですが増産するには高価で取引される食用米を使用することとなり、原価割れとなってしまいます。
「もっと大勢の人に飲んでもらいたい。」
「赤字販売はできない。」
このジレンマ、御察しください。

2.どうして当初販売本数が2000本だったの?

開発が決まったのが、稲刈り前のこと。
そのため材料米が品薄で2000本分集めるのがやっとでした。
と言うことも在りますが、実は
「不評で、売れなかったらあじょーする?」
「みんなで60本ずつ引き取るしかあんめーや。」
「みんなで毎晩飲んじゃーベーよ。」
てなわけで、
「2000本ぐらいで様子を見といてちょ-どいいんでね-の。」
と言うことになったのも、ホントの話し。

3.どうして、熊本・人吉市『峰の露酒造』なの?

当初『めでたいもの』の製造依託は、打ち合わせや運搬経費の削減等の理由で、近隣の酒造会社にご協力いただくつもりだったのですが、「酒米として実績のない品種、ましてや2000本という小ロットでは。」と引き受けていただけませんでした。
「それならば、焼酎の本場、熊本で。」というわけで片っ端から電話連絡。
「いっしょにがんばりましょう。」と言ってくれたのが『峰の露酒造』さんでした。
酒は「同じ麹は二つとない」「酒の味は、杜氏の秘伝」と言われるほど、酒蔵によって違った個性があります。
この「清清しい香り」「爽やかな味わい」は『峰の露酒造』さんとの出会いによって生まれました。
あの時「思い切って10,000本だー。」とか「酒の本場は東北地方だべー。」なんてことになっていたら、今の『めでたいもの』と、まったく違う物が出来上がっていたかもしれません。

4.2000本分の材料米送っているのに、なんで2000本作れね-んだべ?

最後の30本が届かないんです。問い合わせると「もうないよ。」とのこと。
みんなで、
「なんで?」
「どうして?」
「ビン詰めの時、こぼっしちゃたんじゃーねーか?」
「多古米があんまり美味くて、炊いて食べちゃったんだぜ?」
「『めでたいもの』の出来がよくって、杜氏さんが飲んじゃったの?」
なんて話をしていました。
でも、よく事情を説明していただいて納得いたしました。
蒸留酒である焼酎は製造の途中で蒸発し、分量が減るのだそうです。
『峰の露酒造』のみなさん、疑ったりしてごめんなさい。
なにしろ『めでたいもの』飲みながら「もっと蒸発したら、度数が増えて30度の焼酎が飲めるなー。」なんて言ってる「酔っ払い」の集まりですから勘弁してください。

5.実はまだ、『めでたいもの』飲んでないんですよー。

試飲会を行ったところ、
「おい、おめーらー。めでてーもん。美味ーじゃーねーか。」
と、大変評判がよく、たくさんの方々に予約をいただきました。
おかげで、発売当初から品薄状態となり、せっかく作ったのに味見もできず、会員は指をくわえて見てるだけ。
酒屋に行っても購入できない方々に、
「おめーらで、全部飲んじまったんじゃーねーのかー。」
と言われる度に、こう言い訳しておりました

6.火曜会会長さんは、とっても頑固

火曜会の歴代会長は、みんな個性的で、一本芯の入った人ばかり。
だから異業種の集まりをまとめて行ける訳ですが、たまに芯が硬く太くなりすぎて、ただの頑固者になっちゃう人もいるんですよ。
みんなで酒盛りをしようというとき、
「せっかくみんなで作った美味い焼酎があるんだから、『めでたいもの』で乾杯しようぜ。」
と、当然のように、盃に『めでたいもの』が注がれる訳ですが、
「俺はビール、銘柄は〇〇だぞ。」と一人だけ言い出す人がいるんです。
「今日は、『めでたいもの』以外、酒はありませんよ。」と言っても
「おい、ネーチャン。俺にビール持って来い。なければ帰る。」と言って、
「最初の一杯だけ付き合ってくださいよー。」と、後輩が頼んでも、
「乾杯ぐらい付き合えよ。」と、同期が諭しても、
「いやだ。俺はビール。銘柄は〇〇。」と、折れてくれません。
こうまで拒絶されると、興に水を差されて宴もシラケルものですが、
「焼酎は酔い覚めが爽やかだよ。」
「この香り、味わい。ビールより奥が深いよね。」
「焼酎は体にいいんだよ。」
と、焼酎賛美、『めでたいもの』自慢に花が咲き、
「どんなポリシーがあるんだか言ってみろ。」
「昔焼酎に苦い思い出でもあるんだろー。」
「ビールなんて、ションベンばっか近くなるもん飲んでんじゃーねーやー。」
「ビール屋からいくら貰ってやがる。白状しやがれ。」
「裏切り者め。」
と、ついには酒の魚にされてしまうわけです。
そして、焼酎への宗旨替えに応じなかった頑固者は、
「裏切り者。」
「デビルマンめ。」と言う、陰口と共に
「歴代会長一の頑固者」の称号を得ることとなりました。

7.「お酒屋さんごめんなさい。」

『めでたいもの』のおかげで、酒屋さんには大変なご苦労をお掛けしております。
材料米が高価であるにもかかわらず、低価格による販売を実施しているおかげで、きょくたんに儲けの少ない商品となってしまいました。
『めでたいもの』と言うネーミングのおかげで、贈答品として利用するお客さんが多く、包装に多大な手間が掛かっているともお聞きしております。
「町の若い衆がやってることだから。」と、寛大なお心でご協力いただき大変申し訳なく思っております。
今後も経費の節減等、努力いたしてまいりますので、なにとぞご協力のほどよろしくお願いいたします。

8.熊本行くベー

「『峰の露酒造』さんに『めでたいもの』の大成功の、お礼に行くベー。」
「そうだ会計。『めでたいもの』の儲けで熊本行くべー。」
「そんなお金がどこにあるんですか?」
以前、開発の打ち合わせに出かけた時の、『峰の露酒造』さんの歓待・寒露な焼酎の味わい・人吉温泉の湯が忘れられない会員達が『めでたいもの』に酔いながら、会計係の苦労も知らず、また吠えております。

9.発売当初からプレミア付き

発売当初、今のように生産が安定せず、町内に『めでたいもの』が一本もなくなってしまった時、思いもよらぬ所で入手できると言う噂が流れ、真実を突き止めてみると、なんと近隣のゴルフ場やゴルフ練習場だったんですよ。
多古町近辺はゴルフ銀座と言われ、他県からたくさんのゴルファーが訪れます。その人達のために、売店には地元特産品が、何品か並べられているのですが、そこに『めでたいもの』が置かれていたのです。そして、レストランのメニューにまで載っていました。
でも、私達も『めでたいもの』の管理をお願いしている酒屋さんも、卸した覚えがないんですよね。きっと『めでたいもの』の評判を聞いて、一般の酒屋さんから原価で購入して販売していたのでしょう。約3倍ぐらいの値段がついていました。それでもおいしいと、常連さんがお土産に買って帰るのだそうです。